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スポーツの不都合な真実

インテグリティが抱える矛盾を直視する勇気

著者:
大峰光博 著 
  • 内容紹介
  • 目次
  • 追加情報

スポーツの不都合な側面――その本質は暴力や差別、賭博との親和性とギャンブル依存症の問題、日本の連帯責任の特殊性等々――を抉り出し、スポーツにおけるインテグリティ(スポーツが様々な脅威により欠けることなく、価値ある高潔な状態)の虚構性を明らかにして、今後のスポーツの在り方に新たな視点を提供する。

まえがき

1章 運動部活動と社会性育成の怪しい関係

1.運動部活動への加入率の低下
2.社会性とは何か
3.アメリカのゲームズマンシップに関する研究成果
4.日米の大学生アスリートのゲームズマンシップに関する比較
5.スポーツにおける騙し・ごまかしの分類
6.疑わしい社会性育成の場
7.運動部活動における社会性育成は海外の非常識
8.スポーツが社会性を育むこともある

2章 審判員残酷物語:スポーツの本質からみた誤審と審判員への暴力の歴史

1.試合の目的達成を阻む誤審
2.テクノロジーによって生み出される誤審と審判員の過酷さ
3.プロ野球審判員への暴行事件と審判員の権威
4.海外における審判員への暴行事件と全米スポーツ審判員協会の調査結果
5.「面白さの保障」と「正義の実現」

3章 ギャンブル依存のスポーツ振興:スポーツと賭博のただならぬ関係

1.近年のスポーツ選手による賭博事件
  大相撲力士による野球賭博事件(2010年)
  巨人所属選手による野球賭博事件(2014~2016年)
  テニス選手による八百長・賭博事件(2015年)
  バドミントン選手による違法カジノ事件(2016年)
2.日常にあふれるギャンブルとギャンブル研究の貧困さ
3.公営ギャンブルと違法性阻却
4.公営競技と特別法
5.スポーツと賭博の親和性
6.公営ギャンブルと監督官庁

4章 「スポーツ・インテグリティ」の脅威としてのギャンブルとスポーツパーソン

1.ギャンブル依存症とギャンブル障害の診断基準
2.ギャンブル依存の心理
3.「スポーツ・インテグリティ」を脅かすギャンブル
4.愚行権とギャンブル
5.ギャンブルに伴う他者危害
6.賭博をコントロールする困難性
7.「スポーツ・インテグリティ」を脅かすスポーツパーソン

5章 試合の破壊者としての観客:「失敗した試合」を生む存在

1.審判員の判定に影響を及ぼす観客と「失敗した試合」
2.本書での理論の位置づけと考察対象
3.プレイヤーの失敗を誘発するブーイング・野次
4.観客のブーイング・野次に対する罰則規定
5.試合の目的からみたブーイング・野次
6.声援による卓越性のかさ上げ
7.「失敗した試合」理論の再定義
8.「スポーツ・インテグリティ」を脅かす観客の存在

6章 スポーツによって生み出される差別:身体による能力差別の象徴オリンピック

1.五輪は身体による能力差別の象徴
2.IOC委員は総理大臣より希少な存在
3.能力による差別は差別の王様
4.差別感情に対処するには「差別したい自分」に向き合うこと
5.オリンピアンは他者と同等であることを許さない人間の集まり
6.欺瞞性の払拭が差別と戦う上での第一歩

7章 日本の連帯責任という魔物:部活動部員と顧問・監督が負う特異な責任

1.日本特有の部活動における連帯責任
2.RäikkäとMillerの連帯責任論と連帯責任を論じる上での論点
  (1)Räikkäの連帯責任論
  (2)Millerの連帯責任論
  (3)連帯責任を論じる上での論点の設定
3.同志社大学アメフト部員と日本大学アメフト部員が負う責任
  (1)同志社大学アメフト部員の連帯責任事例
  (2)日本大学アメフト部員の連帯責任事例
4.東京2020大会組織委員会役員と旧ジャニーズ事務所タレントが負う責任の軽さ
5.求められるフェアな責任と部限定学生寮の廃止
6.アメリカの運動部活動コーチの破格の収入
7.教員が大学生の人間形成を行う困難性

8章 親と指導者の欲望:トロフィーキッズとトロフィースチューデント

1.全米スポーツ審判員協会の調査結果と保護者・コーチによる暴行事件
2.ゲームズマンシップに対する指導者の意識
3.ゲームズマンシップに対する指導者と選手の意識の乖離
4.名誉欲や承認欲求の奴隷
5.結果を求めないことが出来るのは親だけ
6.才能ある子供を持つ親のジレンマ
7.子供のスポーツ環境を整えていくための4つのアプローチ

9章 スポーツと暴力の親和性:スポーツ倫理と日常倫理の調停不可能性

1.スポーツへの抑圧の歴史
2.体罰件数の減少と体罰を行った教師への刑事・民事・行政上の罰則
3.体罰による教育的効果の状況依存性
4.スポーツと違法性阻却(法による暴力性の担保)
5.スポーツの本質的暴力性と能力差別
6.スポーツ倫理と日常倫理の調停不可能性

Epilogue 「スポーツ・インテグリティ」の欺瞞性と真実を直視する勇気

1.インテグリティに欠ける人々によるインテグリティ教育
2.川谷茂樹による「スポーツ・インテグリティ」批判
3.スポーツに懐疑的な思いを抱く人々との溝
4.求められる真実を直視する勇気と水を差す勇気

あとがき

出版社:
大修館書店
判型:
A5
ページ数:
184ページ
定価:
2,200円
(本体価格:
2,000円+税)
ISBN:
9784469280319
発売日:
2026年 04月 03日
読者対象:
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